貸事務所退去時の注意点

貸事務所でも、貸店舗でも、退去するときに、原状回復をしなければいけない。
(店舗の場合、そのままの状態で退去するケースもある)
住宅で経験した人もいるだろうが、けっこうな金額がとられる。
最近、東京都が東京ルールなるものを定めた。
これは、かなり入居者に有利なルールで、簡単に言うと、「故意過失による損耗でなければ、オーナー負担で原状回復する」というもの。
ところが、この東京ルールは、もっぱら住宅に適用されるルールだ。
つまり、事務所・店舗の場合は適用されない。
こういった事業用物件の契約で最も多いのが、「クロスは張替え、壁は塗りなおし、完全にもとの状態に戻してから、退去する」というものだ。
住宅の場合とは比べ物にならないほど、原状回復費用がかかる。
この点を注意して、契約書をチェックしなければいけない。
全部が全部このような契約というわけでもないからだ。
「事務所」として借りていたとしても、古いマンションで広さも一般的な住宅と同じくらいであれば、それは、「住宅」と同じ原状回復をするべきである、という判断がされたこともある。
貸事務所の保証金は、多いところだと、12ヶ月とか、20ヶ月という物件もある。
例えば、賃料50万円の物件で、20ヶ月の保証金だとすると、1000万円にもなる。
これだけの金額になるとトラブルも発生しやすくなる。
保証金の返還時期については、契約によって状況がことなるので、必ずチェックすべきだ。
保証金の返還時期については、(1)水道光熱費・原状回復の精算後、即返金(2)3~6ヵ月後に返金(3)次の入居者が決まって、新しく保証金をオーナーが受け取ってから返金、という3つのケースがある。
このうち、(3)に注意すべきだ。
へたをすると、かなり長期間保証金が返ってこないケースも考えられる。
解約申し入れから、1年程度を超えて、保証金返還の申し入れがあった場合、オーナーには、返還の義務が生じるという裁判の判決例がある。
ということは、1年くらい解約申し入れから、6ヵ月を経過しないと、返還されないということだ。
いづれにしろ、保証金は即返還されないケースが多々あるので、次の事務所の保証金に充当しようと考えないほうがいいだろう。
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